イラレ「遠近グリッド」の使い方:遠近グリッドで、こんな絵が描けるのよ。

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遠近グリッドを水彩画に応用した例

「グラデーションツールを使おうとして間違ってクリックすると表示されて、ちょっとうっとおしい」
「新製品にありがちな、あんまり使わなさそうな新機能?」

くらいにしか思っていなかったのですが、使ってみると意外に画期的な気もしないでもない、わりと良さそうな機能ですよ!

「遠近グリッド」は、カンタンにパースが取れる機能

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

「遠近グリッド」は何のための機能かというと、パース(遠近感を持った表現)の効いた形状をカンタンに描画できる機能です。

手描きで遠近法を使うときは、地平線や消失点の補助線を描いてその上に沿った形を作っていくのですが、それをあらかじめ用意してくれているというか、半自動的にできるようにしてくれているのが「遠近グリッド」の一連の機能です。

Photoshopの「Vanishing Point」にちょっと感じが似ています。

「遠近グリッド」の使い方の基本

触ってみると意外にとっつきやすい「遠近グリッド」なのです。ポイントは4つ。

  1. まずはグリッドをONにする
  2. それから矩形ツールで描画するだけ
  3. 「面選択ウィジェット」が重要
  4. 遠近に沿わずに作ったオブジェクトも取り込める

1. グリッドをONにする

「遠近グリッド」を使うには、遠近グリッドツールをクリックします。自由変形ツールとグラデーションツールの間にありますので、冒頭に書いたように「間違って触ってしまった……!」と思ったことのある方も少なくないのではないでしょうか。

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

表示されたグリッドは、ハンドルを調節して、グリッド面の大きさや地平線の位置などを整えることができます。

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

グリッドを表示もしくは消すときは「表示>遠近グリッド」、または⌘+Shift+iです。
あとは、一点透視法、二点透視法、三点透視法を切り替えることもできます。

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

2. あとは矩形ツール、だ円ツールなどで描画するだけ

グリッドをONにした状態で矩形ツールに持ち替え、四角を描画しようとすると、自動的に遠近のついた形が作られます。
だ円ツールや多角形ツールなども、同じように使えます。

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

「遠近図形選択ツール」に持ち変えると、遠近グリッドに沿ったままで拡大縮小、または移動ができます。

3. ポイントは「面選択ウィジェット」

左上に表示されるこのマークが「面選択ウィジェット」で、これが遠近グリッドを使いこなすポイントです。

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

この立体は遠近グリッドの床の面、左の面、右の面を表していて、描画をするときは色のついた面に沿う形が作られます。

切り替えるときはウィジェット上をクリックするか、もしくは、描画中に1〜3のキーで切り替えます。

4. 遠近に沿っていないオブジェクトは、ドラッグして取り込む

遠近に沿わないで作ったオブジェクトも、「遠近図形選択ツール」に持ちかえてドラッグすると、パースの効いた形に変換されます。

Adobe Illustrator 遠近グリッドの使い方

「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

新しいツールを憶えるには、実践がいちばんの近道!というわけで、遠近グリッドを使ってシンプルなテーブルを描いてみましょう。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

まずは、アタリをつけます。テーブルの脚の位置に四角形を描きます。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

それから、ペンツールで、テーブルの脚の外側のラインをタテにひきます。これはまだ、補助線ですょ。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

つづいて、矩形ツールでテーブルの天板の位置のアタリをつけます。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

四隅がさきほどのタテ線に当たるような形を描きます。まずは手前から二点くらいを合わせて、それから奥の線にも合わせるようにするといいでしょう。

補助線はこれで終わりです。

次に、矩形ツールでテーブルの脚を描いていきます。左面に合わせて4本分、右面に合わせて4本分。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

天板の側面を描きます。これも脚と同じように、それぞれの面に合わせて。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

最後に、天板の上面を描きます。

イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

できました!

補助線を取ると、しっかりパースのついたテーブルが現れました。イラレの「遠近グリッド」でテーブルを描いてみよう

まさに「イラストレーター」のためのツール。

以上、便利な「遠近グリッド」の使い方についてお伝えしてきました。便利な機能ですが、基本的には、パースのしくみをある程度理解した人でないと使いこなせないと思います。

私は、「遠近グリッド」で作った下描きを水彩のアナログ制作(紙+絵具)に利用しています。下描きで紙を汚さないので、早くきれいに仕上がりますよ。
遠近グリッドで描いた下描きをプリントし、転写紙(チャコペーパー)で水彩紙に写し、その上にペンと絵具で描くと、こんなイラストができます。

イラレの遠近グリッドを水彩画に応用した例

こうやって作ったイラストは広告や販促物の表紙などに採用していただいています。アートディレクターさん、編集者さん、「これ使えるかも」と思われましたら、ぜひぜひFactory70まで、ご依頼をお待ちしております♪(イラスト制作例はこちら


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