Ingressのbiocard(不審者カード)をイラレで作って、印刷所に発注してみよう![テンプレダウンロードつき]

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ingress biocard .ai(eps) data

biocard用の印刷データ(.ai)つくりましたので、よかったら使ってください。

公式のカードクリエイター »Ingress | Player Cards からダウンロードできるPDFファイルを元に、デザインは全く変えず、日本の印刷所に持っていけるデータへと作業を施したものです。
(ダウンロードリンクはのちほど。)

まえおき

イラレは難しいからということでPDFで簡単にできる方法を模索されているAgentさんはたくさんいるのですが、私、イラレ本の著作を持つAgentだし、ちょっと寂しいかなあということであえてAdobe Illustrator(.ai)での編集を念頭に書くことにしました。

biocardを題材に、印刷のデータ作成から発注・入稿までを体験していただく記事、ということでお読みいただければと思います。イラレでなら色や文字を変えるのも簡単ですし、よくあるスタンプ風のあしらいなんかも自由にできますから、これを機会にちょっとイラレ触ってみようかな?という方、ぜひチャレンジしてみてください。トムソンなど型抜き加工のお話にも触れますので、Ingress Agentでない方もぜひ参考に。

■みなさんがよく使っている印刷会社、こちら

目次

biocardについて

まず、biocardについて。ゲーム独特のテンプレートにしたがって作るプレイヤーの名刺みたいなもので、日本では「不審者カード」とも呼ばれます。元はIngress公式グッズの一種でしたが、いつしか一般プレイヤー達も真似して作るようになり、イベントや飲み会の時に交換するなど、ちょっとしたコミュニケーションツールになっています。

そんな流れを反映してか、Ingress公式も最近、Player Card Creatorというウェブサイトをリリースしました。写真と文字を入力すると印刷用のPDFデータが自動生成され、そのまま印刷所に発注できるという便利なものですが、当記事公開現在、アメリカ国内でしか使えません。ただし、そのPDFデータをダウンロードすることはできます。

このPDFデータをそのまま、日本の印刷所に持っていってもたぶん大丈夫(あくまで、たぶん)だとは思いますが、特徴的な切り欠きが含まれていないようだし、長い名前がはみ出てしまったり、さらにちょっとした変更もしたいなど、いろいろと問題が。どうしたらいいのか……ということで、お友達Agentから相談を受けたのがこの記事を書いたきっかけです。

印刷データを作る、の段

用意したテンプレデータをイラレで開いて、写真と文字を入れる。基本的には、これだけ。

写真について

解像度に注意。350dpi以上と覚えておきましょう。

文字について

デザイン通りの文字体を出すには、お使いのコンピューターに指定のフォントがインストールされている必要があります。

このタイプのbiocardに必要なフォントはEffraに、Monda Bold
Effraは本文、MondaはAgent名の大きい文字に使われています。

EffraはAdobe CCを契約していればTypekitに含まれています。Mondaのほうは、Google Fontsにあります。Githubからダウンロードできるファイルのなかに.ttfが含まれているので、それをインストールしてください。

Mondaはよいとして、Effraのほうが難しければ……Adobe CCを契約しているお友達に相談してみるか、またはお手持ちの別のフォントを使っても変じゃないと思いますよ。

その他

本ページで用意したテンプレには、切り抜き加工(トムソンなど)用のパスデータが入っています。加工なしで印刷するには、このレイヤーは削除した上で印刷所に出してください。

あとは、デザインを変えたい人はご自由に。ハンコ風の処理とか、いろんなあしらいの仕方は「Illustratorおいしいネタ事典」に載ってますのでよろしく!

最後に念のため、文字データはアウトラインを取っておきます(コマA→コマシフO)。

印刷所に注文する、の段

無事印刷データができたら、いよいよ印刷所に注文をします。多くのAgentさんが利用しているらしいグラフィック社を例に説明します。仕上がりもなかなか綺麗だしなにかと便利なので、私もかなり前からちょいちょい仕事で利用してました。
»24時間年中無休の安心サポート「印刷の通販 グラフィック」

注文する前に、決めること

印刷を発注する際に必ず指定しなければいけない要素は、次のとおり。

  1. 入稿データファイルの種類
  2. 紙の種類
  3. 印刷の方法と、部数
  4. 納期

以下個別に説明します。

1.入稿データファイル……今回はイラレ(.ai)ですが、バージョンの指定がある場合もありますので、注意してください。それから、グラフィック社の場合は入稿の種類によって割引があったりしますので、これもついでに決めておきましょう。

2.紙の種類……用紙見本というのをあらかじめ取り寄せておいて選びます。みんなと同じ、ふつうのでいいよ、という人は「コート紙」になさったらよろしいかと思います。紙は懲りだすと楽しいですが、素敵な紙はやはりちょっと値が張ります。

まずは厚み。厚い紙のほうがカードらしくてかっこいいけど、その代わり値段も高い。印刷所では、紙は厚みではなく単位あたりの重さで表しますが、180kg〜220kg程度で十分かと思います。

次にオプションで、紙の種類。普通のつるんとした用紙以外にも、表面がざらっとしていたり、色味が違う紙、さらには透明なプラスチックシートなど、いろいろあります。このへんの品揃えは印刷会社によってまちまちです。

3.印刷の方法……オンデマンドか、オフセットか。

めっちゃざっくり言うと、オフセットは雑誌とか本と同じ「ガチの印刷」で、オンデマンドはレーザープリンターです。仕上がりはオフセットのほうが綺麗とお考えください。

ではオンデマンドの何が良いかというと、ほんのちょっとだけ刷れたり、10部単位でこまかく数を指定できる。一方オフセットはプリントゴッコみたいに(ぬーん、20代の人にはわからんかも)あらかじめ版をつくらねばならんので、モトが取れるよう少数部では決まった部数でのみ値段設定されています。

そこで、自分の必要な枚数と値段を見比べて、数を決めます。

Agentさんは、何枚くらい必要なんですかね。値段と印刷方法の関係は、少数部ならオンデマンドが割安、多く刷るならオフセットが割安、となっています。もし、10枚とか20枚でいいわ、ということであれば、オンデマンドのほうが安いです。50枚前後でおおよそ同じ値段になり、100枚を超えるとオフセットのほうがお得です。

とはいえ2〜5000円くらいの趣味の世界のお話なので、仕上がりを優先してオフセットで100枚以上つくり、残ったら捨てるという発想もアリといえばアリですね。

オンデマンド印刷の値段表 オフセット印刷の値段表
グラフィック社のウェブサイトより、同じ条件でオフセット印刷とオンデマンド印刷の価格を比較してみたところ。条件は用紙180kg、納期5日、両面フルカラー印刷。
左(上)がオンデマンド、右(下)がオフセット。100枚の価格はオフセットのほうが安いことがわかる。

4.納期……できあがった印刷物が届く日を指定するということです。最長で1週間くらい、最短では翌日とか当日です。短い期日ほど高くなります。安くあげるには、余裕を持って注文することですね。

注文〜入稿

さて、4項目が決まったら、まず注文をします。
biocardにはカード印刷・B8というのが適当です。

カートに入れる前にサイズの指定をする段がありますので、その際には
縦89mm x 横63mm
を指定してください。

注文をしたら、印刷データを入稿します。
印刷会社からメールで指示が来ますので、そのとおりに印刷所に送ればOKです。問題があれば何か連絡が来ますので、訂正なり対応します。

ちなみに、グラフィック社の入稿のしかたは以前に当ブログで紹介したことがあるので、ちょっと古い記事ですがこちらもご参考に。イラレのプラグインで入稿できるというやつで、なかなかすごいです。
»印刷サービス・グラフィックの「ダイレクト入稿」を試してみたら、なんかめっちゃ便利だった – Factory70 Blog

OKをもらったら、あとはお金を払って、到着を待つだけ。

切り欠き、どうしよう?の段

Ingressのbiocardの特徴のひとつが、右上の角を切り落としたような形状です。さあ、これを印刷所で再現するにはどうするか。

印刷所での加工にはいろいろ種類があるのですが、基本的には印刷費のほかに加工賃がかかります。ここでは、切り欠きをつける方法と値段を見てみましょう。

トムソン加工

木型に刃を付けて、それで紙をプレスして切り抜く加工。イラレのパスデータを入稿することで、そのとおりに紙を切り抜いてもらえます。

ただ、やっぱり値段はかかります。型抜きの刃を作る代金が必要ですからね。グラフィック社のウェブサイトを調べてみると、biocardを100枚作る想定で、15,000円ほどでした。

印刷費がおよそ2〜4,000円としても、それよりはるかに高い追加料金が必要ってことです。一人で注文するのにはちょっとtoo muchな感じがします。

余談。

トムソン型は、一回作ればある程度使い回すことができます。biocardの形状はどれも同じなので、何人かのAgentでひとつのトムソン型を共有できるような注文の仕方ができれば、もしかしたらかなり安く切り抜けるのではないか……とも思いますが、はてさて。

推測ですが、公式のPlayer Card Creatorのデータに切り抜きケイが入っていないのも、指定の印刷所にあらかじめトムソン型が用意してあるから?かも。

レーザー加工

切り抜きの方法には他に熱線で焼き切るレーザー加工もあります。型を作らないので、トムソンよりは安価です。

グラフィック社の値段表によるとbiocard100枚の場合、追加で5,500円ほど必要なようです。まだこれなら、手が出そうですね。ちょっともったいないですけど。

ここでちょっとグラフィック社を離れてネットで検索してみたところ、型抜き印刷に特化した印刷屋さんがありました。
»型抜き印刷ドットコム|型抜き印刷の専門店

ここの簡易見積フォームによれば100枚で印刷費込みの6,000円前後だそうで(ただしオンデマンド)、印刷屋さんによって値段もまちまちということがわかります。

ただしグラフィック社のような大手以外は、入稿データはイラレとインデザ(とクオーク)しかだめ!ところも少なくありません。つまり逆に言うと、イラレのデータを用意すれば、いろんな印刷所を見比べられて選択肢が広がる、というわけですね。

ミシン目を入れる

ミシン目の加工賃なら、切り抜くのに比べたらだいぶん安いです。届いた後に自分でもぐ。または渡した相手のAgentにもいでもらう。

……っていう案を考えたんですけど、そもそもミシン目は薄めの紙しか対応していないし、切った跡ががたがたになってかっこ悪いやないか、ということでいったん取り下げさせてください。

あ、ほら、わざと半券みたいなデザインにしておいてさ、それが次会った時にビール一杯クーポンとかになってて…とか、ダメ?おもしろくない?そっかー。ごめんな。

自分で切る。

カッターナイフと定規で切る。結局、ほとんどのAgentさんはこうしているようです。事実、みなさんから頂いたbiocardを数枚重ねてみると、切り欠きの形がどれも微妙に違うのが愛おしい(*´∀`*)

ここで提供するテンプレデータでは、切り欠きの耳の部分を、うっすらわかるくらいのグレーにしてあります。自分で切り取る場合は、このラインを頼りにすると形が揃って便利です。

ダウンロードリンク

両陣営用とイラレのバージョン(CC/CS6)で分けてあります。

ライセンスについて

一般の方からみれば、もともとIngress公式が配布しているデザインデータをここで再配布するなんて良くないことなのでは、と思われるかもしれません。ただ、Ingressの世界では二次創作が幅広く行われていて、運営会社も一応ルールを定めながらも、比較的寛容です。

たとえばbiocardについては、テンプレートを個人が配布しているケースは他にもあります。さらには、公式テンプレートを改変してオリジナルのデザインデータを作ってあげますよ、という商売をしている人までいます。どちらのケースもいちおうは黙認されている模様です。

公式は「過度に商業的にならないように」と言っていますが、お金をとって作業をすることさえも黙認していることをみると、かなり寛容な立ち位置で運用しているように見えますね。

そういった事情を勘案して、どなたかのお役に立てればと思い、ここでデータを配布する次第です。事情が変わったら配布は中止するかもしれませんが、その際はご容赦ください。

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