Illustratorで、たくさんのアートボードを自動で作るスクリプト(1)

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イラストレーター、スクリプト、自動化 アートボードを作る職業イラストレーターの方のなかでもどのくらい知られているか分からないのですが、Adobe® Illustrator®は、Javascriptなどのプログラミングで自動化できます。

プログラミングとかわかんなーい、という方が多いですが、この例をみると「あぁ、そうやって仕事をラクにするもんなんだな」というのが分かって頂けるんじゃないかしらと思います。サンプルのダウンロードも用意しました。お時間のあるときにでも試してみてください。

今回は、たくさんのアートボードを指定のサイズで作るという単純作業を自動化します。

これを作るのに至った経緯

教科書・教材図版。ものすごく点数の多い仕事

最近私のところには、教材の図版制作の仕事がよく入ってきます。教材図版てなに?と思った方、中学・高校の頃を思い出してみてください。参考書には、グラフとかいろんな説明図が入っていたでしょ。あれを描く仕事です。

このての仕事の特徴は、制作点数がすごーく多いこと。一度に4〜50点の挿絵を制作することもあります。そうすると便利なのが、イラレCS5のマルチアートボード。最終的に文字アウトライン化やアピアランス分割などをまとめてやれるので、ひとつのファイルに入っているのが便利なんです。

複数アートボード、すごく便利なんだけど…

私はいつも、A4のアートボードを数枚ひいておき、その上に、各々の図版のサイズの小さいアートボードを重ねてひいていきます。それぞれの図版はたいてい10cm四方前後の小さなサイズで、章やページ数などを元にした番号での指示が来ます。小さいアートボードのそれぞれには図版の番号で名前を付けておいて、最終的にepsで納品データを作るときに「各アートボードごと」オプションで書き出すわけです。このようにすると、比較的ラクに各図版番号のついたファイルができあがります。

それで、プレビュー用のpdfファイルを出したいときは、A4アートボードの番号だけを指定すればよいのです。こんなふうに、複数アートボードは、長年イラレを使ってきていちばんありがたかった追加機能のひとつかもしれません。

いいけど、作るんがめんどくさいねん…

ただ、小さいアートボードをちまちまとひとつずつ作るのは、かなりの手間です。ふつうのオブジェクトのように整列させたり、位置を合わせてコピーするのもできないもので、なにせ面倒臭いのです。

というわけで、こういう風な作業にできたらなーって思いました。

  1. 図版番号と横寸、縦寸(mm)を表計算ソフトでリストアップする(または指示をそれでもらう)。それをCSVで保存しておく。
  2. Illustrator内でスクリプトを実行。さっきのCSVファイルを指定する。
  3. リストしたサイズ&図版番号の名前付きアートボードが一気にできる!

これで、かなり楽になるはずです。

指定のサイズでアートボードを作る。イラレ自動化スクリプトのイメージ。

そもそも、イラレのスクリプトってどうやって作ったらいいのか?

さて、Illustratorを起動中に、ファイル>スクリプト を選ぶと、いくつかのスクリプトがプリセットされているのが見えます。これには、本体となるスクリプトファイルがあります。

本体は、アプリケーションフォルダ>プリセットの中にあります。そのあたりのフォルダを探してみると、.jsxという拡張子のファイルが見つかります。これがスクリプトの正体です。スクリプトファイルをこのフォルダに入れておけば、メニューに表示されるわけです。

スクリプトファイルというのは、要はテキストファイルです。中にはずらずらーっとプログラムが書かれています。これはテキストエディタで編集できます。私は、ExtendScript Toolkitというコードエディタがデフォルトで開くので、それでもって編集しました。

よくわからなければ、まずはプリセットの中からどれかをコピーして書き換えて作ればいいと思います。ついでに中身を読めばヒントにもなります。

何言語で書けばいいか

「Illustrator CS5では、AppleScript,Javascript,VBScriptをサポートする」
と、Adobeのスクリプトガイドページには書いてあります。つまり、そのどれかの言語で書けるよ、ということです。私は今回はJavascriptで書きました。

どの言語で書くかは自由ですが、それぞれ違う拡張子を付けて保存する必要があります。Javascriptで書く場合は、プリセットのように、.jsxまたは.js。AppleScriptなら.scpt、VBScriptなら.vbsを付けてください。

(次のページへつづく)

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